自分史を書くことで自分の今が分かってくる

NO IMAGE

「自分史」というものを書いたことがありますか。

僕がこれまで持っていた自分史のイメージは、人生もある程度おわりに近い年配の方が、自分の人生を振り返るために書いている、というものでした。

しかし実際に自分で書いてみるとそのイメージは大きく変わりました。若い人こそ自分史を書くべきです。自分史を書くことで自分を理解することができ、自分が本当に進みたい人生を選ぶことができます。

自分史を書くことで分かってくること

自分史を書くメリットは以下の様なことが挙げられます。

  • 自分への理解が深まる

今の自分の価値観、考え方、行動、信念などは、過去の出来事によって形作られています。僕自身、自分の価値観は誰に影響されたものでもないと考えていましたが、自分の過去を振り返って考えてみると、ほとんどのことは過去の出来事によって影響されていることがわかります。

自分のキャリアを考える上で、自分がこれまで何を感じ、考えてきたかを理解し、その結果としての自分がどのような考え方をしているのかを把握することはとても重要です。

自分のことはすでによく知っていると思うかもしれませんが、「自分とはどういう人間か?」と問いかけても、すらすらと自分の事を語れる人は少ないでしょう。自分史を時間をかけて書くことにより、自分がどういう人間かを整理することができるのです。

例えば、過去にボランティアに参加してとても気分が良かった経験、また外国のスラム街を歩いた時にそこに住む子どもたちを見て心を痛めた経験があったとしましょう。このような経験を思い返すことで、自分には社会の問題に関心があり、そしてこれらを解決した時に自分は快感を得られるということがわかります。

このようなエピソードを思い出せるだけ思い出し分析をすることで、自分の価値観の全体像が理解できてきます。

  • 今の自分の価値観が何によってできたのかが分かる

自分の価値観の全体像がもう一段深く考えると、その価値観がどう形成されてきたのかが分かってきます。

例えば、ボランティアに参加してとても気分が良かった経験があるとして、ボランティアからどうして快感を得られるようになったのかを考えていきます。小さい頃にボランティアに参加して褒められた経験があるとか、逆に自分がボランティアによって助けられたのかなど。自分の価値観のベースとなっている経験を探ることで、もっと深く自分を理解することができます。

僕の場合だと、常にスキルアップばかりを考えてしまうところがあります。一見上昇志向があって良さそうにも見えますが、今の時間を楽しむことができないということでもあって、一生スキルアップをし続けて人生を楽しめないことにもなりかねません。

どうしてこういう考え方になってしまったのか、過去のエピソードから探ってみると、小さい頃に両親から厳しく叱られて来たということが背後にあると分かってきました。両親に叱られたくない一心から、いい子になりたいと思って、いい子に見られるように努力しながらこれまで生きてきたみたいなのです。

両親からは高校くらいから叱られることはなくなったのですが、過去に追い求めていた「いい子」は、現在では世の中で言われる「エリート」や「偉人」のようなものにすり替わって、現在まで引きずってきてしまったようです。

両親の態度はすでに変わっているのに、過去の両親とのエピソードが自分の考え方に影響を与えているのは、何とも皮肉です。

自分史の書き方

これまでに述べたようなメリットを得るためには、ダラダラと自分史を書いていくのでは効果はあまりありません。

以下の2点を意識しながら書いていくことで、自分への理解が一層深まります。

  • 起こったエピソードと自分の感情・考えを分けて考える

自分史を書く際はただ現実に起こった出来事を書き連ねていくのではなく、そこでの自分の感じ方や考え方も意識して書いていってください。

また自分の考えのプロセスだけを書いていくのも効果はうすいです。

必ず過去に起こったエピソードとそこでの感情、考え方をどちらも書くようにしましょう。

  • 自分史と現在の自分とのつながりを考える

自分史を書きながら、その出来事が今の自分にどのような影響を与えているか、どのような繋がりがあるかを考えてみましょう。

過去の経験によって現在の自分は出来上がっています。そのエピソードはかならず現在の自分とつながっているはずです。

まとめ

自分の人生のこれからの事を考える上で、自分自身についての理解を深めることはとても意味があります。

また自分自身のことをより具体的に説明することができるので、就職・転職活動などでも有利に働くと思います。

自分の将来について考えている方はぜひ自分史を書いてみてください。