オフグリッドという暮らしが広まり始めているらしい
- 2017.08.15
- ライフスタイル

「オフグリッド」というライフスタイルが少しずつ増えてきています。僕自身もすごく魅力に感じているライフスタイルなので、どのようなものなのか紹介したいと思います。
オフグリッドとは
「オフグリッド」のグリッドは送電網をのことを言います。普通に生活をしていると家で使う電気は送電網から送られており、その電気のもとをたどるとその送電網にくっついている発電所が発電をしています。日本中のほとんどの家庭とほとんどの発電所が1つの送電網につながれているのです。
「オフグリッド」とはこのグリッドから切り離された状態を意味します。つまりは、送電線からの電気を使うのではなく、自分の敷地内で発電し消費を行うといった、自己完結型のシステムの事を言います。
各家庭ごとに発電設備を設けることになるので効率がいいとは言えませんが、送電線からの電気を使うということは、原発や火力発電所で作られた電気で生活をすることになります。そのため、特に3.11以後、既存の発電方法に問題意識を持つ人達の中からオフグリッドの生活を選ぶ人が増え始めました。
具体的にオフグリッドの生活がどのようなのかと言えば、基本は太陽光発電と蓄電池です。それ以外では、太陽の熱を利用して給湯する設備や家の壁の断熱など、その方法は多岐にわたります。
メリットは?
オフグリッドで生活することによって、環境へ配慮した生活をおくることができます。電力会社から電力を買っている時は、間接的に石炭やガスや石油を燃やしたり、原発を稼働させたりしていることになります。太陽光発電などで電力を自給することにより、電力会社の環境負荷の高い発電方法からは無関係になることができます。
またオフグリッドになると、電力を電力会社に頼る必要がなくなります。電力会社に頼っていると、たとえ原発で作られた電力を使いたくないとしても、その電力を使う他ありません。また電力料金の値上げなどにも抗うことはできません。オフグリッドを選べばこれらの電力会社からの縛りから解き放たれ、自由になることができます。
メリットを2点あげましたが、これはいずれも好き嫌いの問題なので、人によってどう捉えるかは別れてくるところではあります。
デメリットは?
ではオフグリッドの生活は便利なのかというと、はっきり言って不便です。
まずはお金がかかります。太陽光パネルや蓄電池を家庭の電力を賄えるくらい設置すると数百万円かかってしまいます。それを行ったことで電力料金は月々数千円程度が0になるだけなので、費用対効果も良いものではありません。
また、自分の家で発電した電力のみに頼って電化製品を動かさないといけないので、電力を使いすぎると足りなくなってしまうことがあります。特に梅雨の時期は日照時間が限られているにも関わらず、クーラーを使いたくなってしまうため、電力が足りなくなってしまいがちです。
まとめ
オフグリッドの生活は、コストパフォーマンスから言えばとても悪いです。オフグリッド生活のために何百万円も投資したとしてもその投資金額を電力料金の削減で回収できるのは何十年も先になるでしょう。誰にでもおすすめできるような生活ではありません。
はっきり言って、オフグリッドな生活は理念を先行させて行動する人でないと不可能です。お金はかかるけど、原発はあってはならない、CO2を排出して環境の負荷を高めるのは違う、送電網に接続されているのは自由じゃない、と思う人達がオフグリッドの生活を選び始めています。そういう人からしてみれば究極のライフスタイルとも言えるでしょう。
もしかするとコストパフォーマンスから見るのはあくまでも現代のみの視点であって、もう数十年先の人たちの考え方では、オフグリッドはスタンダードな考え方になっているのかもしれません。
それがあっているのかは分かりませんが、オフグリッドを選ぶ人が増えているというこの流れは、何かの転換点であり、注目に値するでしょう。
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