生産性はどんどん上がっているのに給料は上がらない、この社会構造について
- 2018.10.25
- 仕事

仕事とは、バッサリと言い切ると、どれだけ効率的にお金を稼げるかのゲームです。
社会的意義がどうだなどあるかもしれませんが、企業が営利法人である限りこの前提は覆りません。
同じ人員で多くの成果を上げた人は、それと同じだけの収入を得られるはずです。
しかし、例えば営業で働いているとして、めちゃめちゃ頑張って売上を2倍にした結果、上がる給料はせいぜい10パーセントほど。
これっておかしくないですか?
「だってそういうもんだよ」と思った方には社畜の素質があります。
お勤めご苦労さまです。
今日はなぜそんなことになってしまっているのか少し考えたいと思います。
生産性はこんなに上がっている
まず僕らの生産性がどれだけ上がっているかについて見てみましょう。
以下は日本のGDP(国民総生産)とNI(国民所得)の数値です。
インフレの影響もありますが、ざっくり生産性向上による経済成長と見てもらえるといいかなと思います。
日本で作られた付加価値の指標です。(厳密な定義は別にあります)
これを見て分かる通り、戦後からだけでも付加価値は右肩上がりです。
それだけ生産効率は上がっていると言えます。
データを出さずとも、考えてみればわかることですね。
2000年も遡れば、機械もなくすべて手動で農業をしたり道具を作ったりしていました。
それが今ではほとんどの産業で機械が入っており、生産性は業種によっては数十〜数百倍にもなっているでしょう。
単純に考えれば、例えば生産性が100倍になれば、同じ水準の利益を得るのに1/100の時間しか必要ないことになります。
しかし今のサラリーマンは、1日8時間・週5日で働いているわけです。
それで生活を維持する100倍の金をかけて遊んでいるなら話は別ですが、給料のほとんどは生活費に消えているはず。
どうもおかしいとしか思えないんですよね。
生産性は上がっているのになぜ給料は上がらない?
ここには資本主義社会の落とし穴があります。
結論から言うと、働いている人が作った利益のうち、生存に必要なお金にすこしのお小遣いをつけてその人に渡したあと、残ったお金は会社がとっているのです。
これが会社が営利法人としてやっていける理由です。
会社にとって人件費はコストですから、利益を残すという使命を全うするためには、利益を社員に還元してはならず、むしろ給料は最小限に抑えなければならないのです。
ただし、だから会社は悪だと言っているのでありません。
会社は業績が悪くなったときも社員に給料を払い続けなければならないというリスクがあります。
社員にとっては給料を安く抑えられている代わりに、安定というメリットがるわけです。
雇用も契約ですから、メリット・デメリットをちゃんと認識して働き方を選ぶということは重要ですね。
資本主義の構造を逆手にとった裏技
さてさて、実はこの資本主義構造を逆手に取った裏技があります。
それは「仕事で頑張らないこと」です。
仕事でパフォーマンスを上げれば上げるほど、自分が生み出した利益と給料との間に差が開いていきます。
これではあまり気分が良くないですよね。
それが自分のパフォーマンスを極限まで下げていけば、それでも給料はそれほど下がりませんので、自分が生み出した利益以上の給料がもらえるというわけです。
ま、そうなっちゃうと働いている意味もわからなくなってしまいますし、そのうちクビになってしまうかもしれませんけどね。
ただそういう人たちの給料は、高いパフォーマンスを挙げている人たちがプレゼントしているような状況になっています。
まとめ
いろいろと書いてきたわけですが、会社員として働くとしてもこういうことを認識しながら働きましょうと言うことです。
現在は労使間の格差を是正すべくたくさんの法律もできていますし、ここで書いてきた問題がストレートに現れてくるというわけでもありません。
しかしだからこそ社会の表に出てきていないとも言えるので、注意が必要ですね。
それでは。
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