ガチホが身を滅ぼす理由
- 2018.11.12
- FXトレード

昨年後半くらいだったでしょうか、仮想通貨の情報収集をしていたら、しきりに「ガチホ」とう言葉に出会いました。
仮想通貨で成功している風な人達が発している「ガチホ」という言葉
僕はかなり拒絶感をもって聞いていたんですよね。
「ガチホ」ってなんだ!?
まずは「ガチホ」という言葉について
調べてみた所「ガチホールド」の略語というのが有力でした。
「ガチガチのホールド」「ガチでホールド」など諸説ありますが、どれだとしても、価格が下がった時にその投資対象のポジションを持ち続けるという意味になります。
この言葉自体、投資の世界全般で使われていると言う説明のブログも多いですが、おそらく仮想通貨の興隆とともに生まれた言葉です。
というのも、僕自身ずっとFXや株を見てきていますが、この言葉に出会ったのは2017年の終わり頃に仮想通貨を調べ始めてからでした。
この言葉は仮想通貨界で生まれて、FXや株へも広がっていったというのが正しいのだと思います。
「ガチホ」は株式投資で言う「塩漬け」
「ガチホ」が仮想通貨投資から生まれた言葉だと言っても、株式投資ではすでに似たような言葉があるんです。
その言葉が「塩漬け」
この意味としては、上がると期待して買った株が予想に反して下がったが、その後上昇することを期待して保有し続けるということ。
損失を認識したくないため無視し続けることを、「塩漬け」と誰かが呼び始めたようです。
株式投資の世界ではネガティブな意味で語られることが多いです。
「ガチホ」は投資を確率のゲームだと分かっていない
このブログでは何度かいっていますが、投資とは確率のゲームに他なりません。
「ガチホ、ガチホ!」といっている人はここが分かっていないと思います。
自分のトレードロジックの勝率・勝ち額・負け額が分かって、そのロジックに忠実にトレードしていくのが、投資のあるべき姿です。
「仮想通貨は将来もっと広まっていくんだ」という考えから、そのまま何も考えず仮想通貨を持ち続けること、それは投資ではありません。
僕も仮想通貨の将来性については期待していますが、その確率はどのくらいなのか(100%なんてありえません)、予想通り広まったとして仮想通貨はどれくらい値上がりするのか、この投資に対してどれくらいのリスクを負えるのか、というところを計算して初めて投資と呼べるのでしょう。
そして予想から離れる動きをしたらすぐに損切りをする。
それが投資の基本です。
「ガチホ」といっている人のどれくらいがこれを意識できているでしょう。
おそらく9割以上は何も考えていない人たちです。
仮想通貨は価格の理論値が出しにくい
株式投資における「塩漬け」の話をしましたが、株の世界では一部の人は「上がるまで待つ」という投資法をとって、勝ち組トレーダーになっているという事実もあるようです。
つまり「塩漬け」をやっている人でも勝ち組になることがあるのです。
この人達は企業価値の理論値をきちんと考えているので待つことができるのだと思います。
どういうことかと言うと、ある企業の株価が高いのかやすいのか判断する時に、その企業の将来の収益性、現在の資産、ブランド力、事業の強さなどを総合的に計算して、株価はこれくらいあるべきだ、という数字を出します。
これが「理論株価」というものです。
考え方によって、たくさんの計算方法があります。
株価は理論株価以外にも、世界全体の景気や、為替レートなどによって上下しますが、長期的には理論株価に近づいていくと考えられています。
だからこそ理論株価が高い企業は「塩漬け」しても、上がるときを待つことができる。
しかし、仮想通貨の場合はどうでしょうか。
貨幣の価値、これはドルや円などについても同じことが言えるのですが、その価格は理論的に算出することが非常に難しいです。
貨幣は、株価のように将来の利益や資産の量など、理論値を計算する手がかりが無いからです。
まだドルや円については、現実世界のお店で商品と結びついているので極端な動きはしにくいでしょう。
しかし、仮想通貨のような現実の商品とほとんど結びついていない貨幣は、その価格を決める要因は投資の市場参加者の感情でしかないのです。
したがって、仮想通貨の理論値を出すなんて無理でしかなく、「ガチホ」なんていっている人は、「仮想通貨はもっと高値であるべきだ」という全く根拠のない希望を語っているに過ぎないのです。
ちなみに少し前の話ですが、Mt.Goxが破綻して1BTCが12万円から2〜3万円まで暴落していた頃、仮想通貨界隈の人は「12万円の頃はバブルだった」と口々に言っていました。
それが今は60万円でも「安い!」と言えるのではないでしょうか。
理論値が出せないものは、高い・安いの判断がほとんど役に立たないものなのです。
まとめ
「投資」をしているのであれば、「ガチホ」なんてやらずに、確率に基づいたトレードをしましょう。
そうでないとそれはただの「投機」であり、ギャンブルと変わりありません。
もし今あなたが「ガチホ」をしているのであれば、損失を垂れ流しているのと同時に、そこに投じている資金を活用できていないことになります。
その資金を定期預金に入れるだけでも、ほんの少しですが利息を得られる機会を得られます。
お金を増やしたいのであれば、感情は消して確率重視のトレードをしましょう。
勝つためにはそれしかないです。
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