投資とトレードの違い

投資とトレードの違い

資産運用を考えるときに「投資」や「トレード」という言葉が出てきます。
株式投資やFXトレードなど言われますが、時にこれらは混同して説明されます。

今回は投資とトレードの違いについて説明します。

投資とは

投資には、株式投資や不動産投資などがあります。
投資とは何かを一言で言えば、その投資対象が時間の経過とともにお金を生むような性質がある資産運用です。

例えば株式投資の場合、企業の一部を所有することになりますが、その企業が利益を生み出すことによって、その株の所有者は利益を得ることができます。
利益の一部は配当として株主に分配されますが、分配されなかった分も会社に蓄えられることになるので、株価の理論値が上がり、長期的には株価が上昇する方向に動くため、株式自体の価値が高まります。

また不動産投資の場合は、不動産を所有することによって、その土地や建物などを使用できるという価値が時間の分だけ生まれ、それを誰かに貸し出したりして利益となります。

株式の場合も不動産の場合も、その本質的な価値(企業や不動産そのもの)は減らないにもかかわらず、時間の経過とともに価値を生み出していく性質があります。
まさにお金がお金を生むというのはこのことを言うのです。

ただし、株や不動産は短期で市場価値が上下するため、短期目線の資産運用では損をすることもあります。
この短期的な市場価値の変動は、需給や市場参加者の心理などにより複雑な動きをするため、長期的視点に立ちその短期的な動きに惑わされないことが重要です。

トレードとは

トレードは投機とも呼ばれますが、これは短期的な相場の変動を利益に変える方法です。
FX(外国通貨の取引)や仮想通貨、先物などの短期売買はこのトレードに分類されます。

トレードは投資と違い、トレードの対象物の本質的価値が高まるというものではありません。
ドルもビットコインも金も、例えば3日保有していたとして、その間の本質的な価値は変わりませんが、市場の需給関係や市場参加者の心理の変動によって、その価格が上下します。
なので、いわゆる資産運用という言葉からイメージされる手放しでも儲かるというのは、トレードには当てはまりません。

トレードで重要なのは、短期的な市場の動きをどう読み取るかです。
不規則に見える価格の動きを読んで売買をして、予想通りに動けば利益となります。

そういう意味では競馬やポーカーなどと同じような性質とも言えます。
と言ってしまうとトレードはバクチと思われるかもしれませんが、競馬やポーカーで生計を立てている人がいるように、確率と期待値を緻密に計算してトレードで生計を立てている人もたくさんいます。

しかし、投資と違って本質的価値が高まるわけではないため、きちんと計算しなければ損をしやすい資産運用と言えます。

まとめ

投資とトレードの違いが理解できましたか?
自分はどのような性質のものにお金を投じていて、どのような理由で利益が出ているのかを理解することはとても重要です。

実際にははっきりとどちらかに分けられるものではなく、両方の性質を持つものもあります。
為替も長期になると本質的価値は変化しますし、不動産を短期で転がして利益を得る人もいます。

しかし肝心なのは、自分が資産運用で何をしているのかを理解することです。
投資なのか、トレードなのか、確認してみるといいと思います。