トレードと物販ビジネスの共通点

最近は副業がかなり注目されているらしく、トレードや物販ビジネスが取り上げられる頻度も高くなったように感じます。
僕自身、トレードは10年ちょっと、物販ビジネスは2年ほど続けてきました。
パッと見は全然違うこの2つですが、長く向き合ってくると共通点が見えてきたので、それについて話そうと思います。
市場間の価格差をとる
いきなり答えを言うと、それは異なる2市場間の価格差を取っていくことです。
ある市場にあるものを、別の市場に持っていって、その差額が利益となります。
移動するだけなので、動かす物自体は変わりません。
物販ビジネスの場合
物販ビジネスにも色々あり、ここではいわゆる転売を取り上げますが、この場合はわかりやすいです。
僕がやっているのは海外で売られているものを日本で販売しているのですが、これは海外の市場と日本の市場の価格差を利益としているということです。
もちろん送料や関税がかかったり、いろいろと複雑なことはありますが、本質はそこになります。
僕はやってないですが、家電量販店などのものを買ってアマゾンに出品する「せどり」も、国内市場をさらに販売場所別に市場を分け、その価格差を狙っていくと言う手法です。
購入から販売まで少なからず時間がかかるので、その間に値崩れする可能性もありますが、原理的には価格差が見つかれば即利益になるという意味で、とても確実性の高いビジネスと言えます。
トレードの場合
トレードの場合、基本的には同じ証券会社やFX会社の口座で取引をするので、市場自体は同じです。
しかし、取引するタイミングが違うので、現在の市場と未来の市場の価格差を狙っていくという意味で、物販ビジネスと同じような理解ができます。
トレードは、物販ビジネスのように物を移動する費用がかからないメリットがありますが、未来の市場相場を予測しないと行けないという性質上、難度がとても高いです。
物販ビジネスにより近い方法として、アービトラージという取引手法もあります。
これは2つの市場(例えば2つの異なる仮想通貨取引所)で価格差が発生した時に、片方で買って片方で売ることによって、その価格差を利益にするというやり方です。
FXが広まり始めたときや、仮想通貨の出始めのときはそれぞれアービトラージが流行りましたが、今のようにある程度普及すると、参入者が増えて、なかなかこれで勝つのは難しいという状況ではあるみたいです。
他のビジネス
市場の価格差を取る性質をもつビジネスは他にもあります。
例えば、商社や不動産販売です。
商社は、例えばブラジルのコーヒー豆を日本に持ってきて販売する、みたいな形で、物を移動させることによって差額を利益としています。
転売の物販ビジネスと原理的には同じですよね。
不動産販売も誰かから不動産を買って、誰かに売るわけで、扱う不動産自体は変化していないわけですが、仕入れ時よりも高く売ってその差を利益としています。
価値を創造する仕事とは違う
2市場間で物を移動することによって利益を得るビジネスについて、話してきましたが、もちろんそれ以外の仕事もあります。
わかりやすいのがメーカーです。
仕入れた原料を、工場で形をかえて、新しい価値をつけて販売するので、物を動かすだけのビジネスとは大きく異なります。
接客業やコンサルタントなども、形はないですが自分で新しい価値を提供しているという意味では、メーカーと同じ立ち位置になります。
この対比をしてみると、物を動かすだけのビジネスはレベルが低いんじゃないかと感じてしまいます。
物を動かして儲ける人は「商人」と呼ばれてきた人ですが、実際に歴史的に見て、江戸時代に士農工商で商人が最低だったことや、『ベニスの商人』で商人がかなり卑下されて描かれているなど、ずっと蔑まれた職業だったりします。
まとめ
仕事に貴賎なしとも言いますので、「商人」的な仕事を良い悪いという気はありません。
しかし、世の中のビジネスを「価値を創造するビジネス」と「物を移動されて儲けるビジネス」に分けて見渡してみると、新たな気付きが生まれるんではないでしょうか。
ぜひ新たな視点でまわりを見てみてください。
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